監視長との出会い(回顧録 vol1)


 
 大学でライフセービング部へ入部。ホームグランドは千葉県にある御宿海岸である。
 御宿海岸は中央・岩和田・浜の三つの海水浴場からなる、月の沙漠で有名な海水浴場である。この3つの海水浴場を守っていたのが、伝説の御宿海援隊である。
 地元のサーファー・大学生が中心となって総勢40〜50名程度で構成されており、この海援隊を取り仕切るのが、キャリヤ30年を超える名物監視長:デカツルである。
 私が始めてデカツルに会ったのは入部して1ヶ月後のときだ。
 青いパジェロが砂を巻き上げて向かってくる。止まったと思うと中からひときわ大きな人間が降りてきた。先輩達の挨拶に続いて頭を下げる。
 体つき迫力はプロレスラーのハルクホーガンそのもので、外人がつけるようなレイバンの大きなサングラスがさらに迫力に拍車をかけていた。(日本で似合う人はそんなにいないと思うのだが)
 ”やべぇ、でけぇー”これしか思い浮かばなかった。これがデカツルである。 
 「おまえ泳げるのか?」 「はい、泳げます。」
 会話はこれだけ。何なんだ一体?!というのが正直な感想である。
 高校で競泳をやっていた私は、同学年のなかでは泳ぎが達者な方で先輩達に勝つこともちらほらあった。自分では大物ルーキーを自負していたのだが・・・。
 恐ろしいほどのデカツルの無関心。(その理由がわかるのに時間はかからなかったが。)
 そんな出会いを経て御宿海岸の夏へ突入していった。
 このころになると、部活での講習会や勉強会を終えていたので、気分は”正義の味方そのもの”である。根拠のない自信に満たされてデカツルと再会した。
                                              (つづく)