全日本代表チーム コンディショニング指導、一部抜粋。
 荒井テクニカルコーチ指導の下、全日本代表選手たちは各々のベストコンディショニングに向けてトレーニングに励んでいます。そこで、全日本を目指しトレーニングに励む若きアスリート達のために一部公開します。ぜひとも今後のトレーニングに活かしてください。

1月11日 荒井テクニカルコーチより 
 ドーピングに関しては、国内外の流れとしてスポーツ競技会では当たり前となっています。もし、陽性が出た場合、選手のみならずコーチも処罰対象になる可能性がありますが、あまり神経質になりすぎてもよくありません。皆さん自身のことですので、自分で勉強をしてください。
 特に喘息、鼻炎、風邪薬の中には覚醒作用をもたらす成分が含まれています。また、塗り薬も気をつけなければなりません。
 禁止薬物などに関しては、日本語訳のものが2005に出されています。ただし、2006年に関する情報は英文のみなので、両者を比較しながら勉強してください。もし、かかりつけのドクターがいれば書類を持って薬の成分に禁止薬物が含まれているか確認してください。

1月11日 荒井テクニカルコーチより

○ 多くのアスリートは試合や量、質ともに高い練習の前の2、3日間は、十分な休養と食事が大切なことを認識している。
  しかし、「いつ」「何を」「どのくらい」食べるかという問題がある。また試合や激しいトレーニングの直前6時間以内に何を食べるかという問題もある。

○ 炭水化物がエネルギー源として最も大切な栄養素であり、試合前の数日間とともに試合当日にも適切に摂取しておく必要がある。
  水分や塩分を十分に補給しておくことにも留意しなければならない。しかし、試合の2ないし4日前は、たんぱく質、脂肪とともにその他の栄養素が必要だが、通常のトレーニング時の必要量を超えることはない。

○ カーボローディング
  およそ90分以上の激しい競技をするアスリートには、2、3日間の炭水化物ローディング(カーボローディング)が効果的である。
  筋肉のグリコーゲン量を通常よりも多く貯蔵するには、練習量を減らすとともに炭水化物を大量(7〜10 g/kg体重/日)に摂取する。
  また、試合前の週のある時期に、中・高強度の運動を疲労困憊まで行う。

○ 試合前6時間の炭水化物1)
  アスリートには、試合前に好む食べる物があることがある。それらはエネルギー源を追加補給するだけではなく空腹感をなくすなど、食べやすいとともに実用的なものでもある。疲労困憊したり炭水化物が枯渇したりしない競技・種目(例えば体操競技やスキージャンプなど)では、競技前の食事で大量に炭水化物を取る必要はない。しかし、激しい競技が60分以上続くような場合は次の2つのどちらかを選ぶ。
 
 (1)試合前6時間の間に1〜4 g/kg体重の炭水化物を取る。
 (2)試合が午後遅くでなく、かつ試合の2、3日前からカーボローディングを行った場合には、炭水化物は欲しくなければとらなくてもよい。
  アスリートが間違えやすいことに、運動の1〜6時間前の炭水化物摂取量が少なすぎる(例えば1 g/kg体重以下など)ことと、その後の運動中に炭水化物をとらないことがある。炭水化物の少ない食事をとると、血液中のグルコース(血糖)の消費を増大することになるが、血液中のグルコースの量は運動を継続するために十分ではない。

  1):運動前1時間以内にグルコースのようなインスリンを分泌させる炭水化物を摂取すると、脂肪の利用が抑制されたり一時的に低血糖になったりする人がいる。これが必ず運動パフォーマンスに悪影響を及ぼすかどうかは明らかではないが、各選手の経験などを十分に考慮すべきである(Hargreaves M. et al.,2004 )。
  
○ 試合前の水分補給の方法
  アスリートは試合当日の朝に体内に十分な水分を蓄えておくために、試合前日は食事とともに水分を十分に取る必要がある。
  試合前のウォーミングアップまでの間、水分や炭水化物を含んだ飲料の摂取は禁止すべきでなく、試合開始60〜90分前におよそ400〜700 ml飲用することが勧められる。こうしておけば不要な水分は尿として排泄されるのに十分な時間があるし、トイレを探すのに慌てなくて良い。試合が1時間以上続き、発汗も多く、試合中に水分補給する機会のない場合は、試合前の15分間に300〜600 mlの水分を補給しておくと良い場合が多い。

【カーボローディングメニュー例】
 ■体重70kgの選手が9g/kg体重 の炭水化物をとるための献立例
 (食品名と分量が示してあるものが主たる炭水化物源食品)

<朝食:エネルギー855kcal、炭水化物159.6g>
 ごはん:ごはん250g (大きめの茶碗1杯強)、 じゃがいもの味噌汁:じゃがいも30g( 1/3個)、ハムエッグ、温野菜サラダ
<午前の補食:エネルギー248kcal、炭水化物48.3g>
 おにぎり:ごはん130g(小さめの茶碗1杯)
<昼食:エネルギー842kcal、炭水化物153.1g>
 力うどん:ゆでうどん250g(1玉)、もち40g(1枚)、いなり寿司:寿司飯130g(小さめの茶碗1杯)、果物:りんご100g(1/2個)
<午後の補食:エネルギー304kcal、炭水化物51.6g>
 ロールサンド:ロールパン80g(2個)、イチゴジャム20g(大さじ1)
<夕食:エネルギー1106kcal、炭水化物200.5g>
  スパゲッティ トマトソース:ゆでスパゲッティ250g( 1人前大盛り)、トースト:食パン120g(2枚)、はちみつ45g(大さじ2)、
  かぼちゃのミルク煮:かぼちゃ90g (3切れ)、角切り野菜のコンソメスープ
<夜の補食:エネルギー149kcal、炭水化物29.9g >
 フルーツのヨーグルトあえ:苺40g (2個)、キウイフルーツ40g(1/2個)、バナナ40g (1/2本)、はちみつ10g (大さじ1/2弱)

  △1日合計:エネルギー3504kcal、炭水化物642.9g
  △PFC比2)=12.8:13.0:73.4
  2):PFC比:たんぱく質(Protein)、脂肪(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3大栄養素から供給されるエネルギー比が1日にとる食事全体のエネルギーに占める割合(%)をいいます。

【試合前の食品例】
■体重70kgの選手が2g/kg体重の炭水化物をとるための食品組み合わせ例

・ コーンフレーク3カップ+ドライフルーツ30g+牛乳150mlとバナナ1本
・ ホットケーキ(メイプルシロップがけ)2枚+100% 果汁オレンジジュース250ml
・ 太巻き寿司1本+おにぎり1個
・ 安倍川餅3個+100% 果汁オレンジジュース250mlとバナナ1本

1月11日 荒井テクニカルコーチより
 移動から現地でのコンディショニングについてお知らせします。
 出国前まで体調がよかったのに、機内でコンディションを崩したとか、現地での気温差から風邪をひいたなど、一流選手でもあるようです。
 機内は、世界でもっとも乾燥した空間でもあり、出国の際に他の乗客がウェイルスを機内に撒き散らすことも考えられます。
 機内での服装、風邪対策、定期的なうがいなどを積極的に行ってください。

1月12日 荒井テクニカルコーチより
 個人的にオーストラリアのライフセーバーとも交流がある人もいるかと思いますが、今回の世界大会の開催国でもある、オーストラリアチームのメンバーを紹介します。
 キャプテンのZane Holmes曰く、若いメンバーと経験のあるメンバーが非常に良いバランスで構成されているとのことです。

・Mitchell Hannaker: (監督)
・Danny Short: (コーチ)
・Brett Dowker (コーチ)
・Troy Eady: Medical (コーチ)
【男子】
・Zane Holmes: Kawana Waters SLSC
                   (キャプテン)
・Alex Bannon: Kawana Waters SLSC
・Zane Campbell: Wanda SLSC
・Ryan Hartup: Cronulla SLSC
・Abby Lewtas: Anglesea SLSC
・David Lush: Maroochydore SLSC
【女子】
・Kristy Munroe: Alexandra Headland SLSC
・Jason O'Pray: Maroochydore SLSC
・Jennifer Parry: Maroochydore SLSC
・Kristyl Smith: Northcliffe SLSC
・Nathan Smith: Cronulla SLSC
・Sarah Windsor
      Port Hacking LC/Mudjimba SLSC

1月18日 荒井テクニカルコーチより
 もう既に、オーストラリアに到着しているメンバーもいるかと思います。オーシャン競技の会場ですが、大会期間中の水温が約18度前後、波は0.5〜1.0mくらいとのことです。
 クラフト置き場は会場に設置されているとのことですが、実際にお金が必要かどうかは不明です。現地に早く到着したメンバーがいれば、会場周辺の情報収集をお願いします。宿泊周辺のレストラン、スーパーマーケット、その他生活に必要な物資を購入するお店(薬など)器材置き場、リペアをしてくれそうなショップなどです。
 ちなみに、今回の大会のスポンサーでもあるDolphinでは、同社のクラフトに限り現地での修理を受けつけているとのことです。(情報提供:オーストラリアチームキャプテンZane Holmesより)

1月13日 川地 JLA事務局員より
■ハエ異常発生 ビクトリア州ジーロング市近辺
 千葉ロッテが2月1日からキャンプを行うオーストラリア東南部のビクトリア州ジーロング市近辺で、クロバエが異常大量発生していることが12日までに明らかになった。地元の研究機関などでは実に6500億匹以上と推測されている。元日にはシドニーで史上最高となる気温44度が記録されるなど猛暑が続いていることが原因。連覇を目指す千葉ロッテを、暑さとハエの大群が待っている。(スポーツニッポン)


BACK